本ページでは、私立中高一貫校で用いられる*検定外教科書(私立中高一貫校用独自教材 以下、”独自教材”)の内容と対策について紹介します。

*検定外教科書(独自教材)の例

数学:体系数学、システム数学など

英語:New Treasure English(ニュートレジャー)、Progress21(プログレス)など

中高一貫校では、進学実績向上のため、難関大学志望者を対象に、上記のようなハイレベルな独自教材を用いた、早い学習進度設計がされています。学習進度の早い学校では、中学2年次には中学範囲の学習を終え、高校範囲に入り、高校1年次には高校範囲(数学IAIIB)の学習を終え、理文系コースに分かれて志望大学別の入試問題の総合演習へと移ります。

こうした独自教材は、中学生用の教材でありながらも高校内容が組み込まれており、学校で習熟できれば確かに高い実力をつけることができる優れた受験参考書である反面、内容の難しさから消化不良を起こす中高一貫校の生徒さんが少なくありません。さらに、一般の検定教科書では、以前までに学習した内容の復習が記載されており、学年が変わっても前の学年の復習ができるような、スパイラル式に復習ができる教科書となっていますが、こうした独自教材は、すでに以前までの学習は習熟しているという前提でもって作成された、大学入試に向けたテキストのため、一旦内容が分からなくなると、成績を取り戻すのが難しいというデメリットがあります。

中学生は日々の限られた時間の中で、こうした内容の厚い独自教材をマスターする必要があります。その上、定期テストはもちろんのこと、いずれ来る大学入試の本格的な受験勉強の下地を作る必要もあります。当塾では、各独自教材の傾向と対策に精通したプロの専任講師陣が、各私立中高一貫校の独自カリキュラムまで踏まえて、最適な学習計画を作成し授業を行っています。少人数制のクラスのため、学校の勉強で分からないことがあれば、いつでも質問をし解消ができる環境が整っています。戸塚で通塾をお考えの中高一貫校に通う生徒さんはぜひご活用ください。

当塾の講師陣についての詳細は講師紹介もご参考ください。

体系数学・体系問題集

数研出版から出版されている、多くの中高一貫校で用いられているテキストです。

体系数学1・2で中学範囲の数学を網羅でき、その後は高校範囲がメインの問題ベースのテキスト(4STEP、フォーカスゴールドなど)に移行することが多いです。進度の早い学校では、中学2年次には体系数学1・2の学習を終えます。これは一般的な公立中学校では3年間かけて学ぶ内容を、2年以内には終えるペースになります。とはいえ、一般的な公立中学校で学ぶ3年分の内容を短く圧縮した形式で羅列されているというわけではなく、代数・幾何の2分野に分け、単元によってはさらに高校数学の内容までまとめて記載がされた、単元毎に体系的作成されたテキストになっています。(例. 中1で学ぶ方程式は、一次方程式の後に連立方程式・不等式といった一般的に中2・高校で学ぶ内容が連続します。)

ほとんどの中高一貫校では、中学3年次には高校数学(数学IA)に入るため、代数では、体系数学の内容が最低限身についていないと、高校数学の初めの複雑な式の展開や因数分解、実数から出鼻を挫く事になります。幾何では、中学受験で訓練をした平面・立体図形の単元は、中学入学後半年程度で早々に終わり、その後は中学で新しく学ぶ合同・相似証明に移るため、その時点で学習習慣が身についていない生徒さんの場合は苦労する事が多いです。

システム数学・システム数学問題集

啓林館と河合塾によるテキストです。「システム数学1~システム数学5」の5段階構成で、体系数学と同様に代数・幾何の2分野に分かれています。

単元構成は体系数学とほぼ共通です。システム数学は、理解に重きを置いた一般的な教科書の性質が強く、問題数は少なくなっています。大抵は、「システム数学問題集」を併用し、学校の授業で基本的な考え方を教わった後、システム数学問題集を早く進めていく学校が多いです。

問題集を進める上では、分からないところは教科書を辞書代わりに使う必要が出てきますが、普段教科書を使わないため、なかなか上手く使えない生徒がいます。特に、先述の通り、問題数が少ないため、定着のためには自身で演習量を増やしていく必要があります。その際には、正しい考え方や解法に基づいて、点数力の向上のための反復演習という位置付けで演習量を増やすのが良いです。

New Treasure English(ニュートレジャー)・文法問題集・WORKBOOK(ワークブック)

Z会出版から出版されている、多くの中高一貫校で用いられているテキストです。中高一貫校の英語の教材は、カトリック系の一部の学校を除くと、時流に沿って、検定教科書↔︎ニュートレジャー↔︎プログレスで回帰することが多いです。(「プログレスのCD教材を全て購入したのに、来年からニュートレジャーにテキストが変わった」ということが間々あります。)

ニュートレジャーの特徴は、記載単語数が中2までに約3000語(新課程前の検定教科書では1000語程度)というその膨大な語彙量になります。また、早い段階で高校内容の文法が加わるため、文法が分からないからただ本文・例文を丸暗記をするという、強引な勉強法では逆に相当な時間がかかってしまいます。

ニュートレジャー攻略のためには、テストのための丸暗記に頼るのではなく、正しく英語を理解し、まずはその上で付属の文法問題集・WORKBOOKで演習を積むことと、ニュートレジャーの文法配置に沿った適切な問題集を使って、大学入試や資格試験に向けた実践力を高めるための演習が効果的です。

PROGRESS 21(プログレス)・PRODRESS 21 REVISED(プログレス改訂版)・WORKBOOKLIST OF WORDSWORD WORKOUT

イエズス会出版から出版されているテキストで、カトリック系の一部の学校で用いられているテキストです。

ニュートレジャーと同様に、圧倒的な語彙量と英文収録量になっています。イエズス会の神父様により作られた教材ということもあり、使われている英文は宗教や欧米文化関連のものが多く、大学入試で主な出題となる説明文形式ではなく、物語文の形式で構成されています。

ストーリーに沿って、細かな文法事項が配置されており、またそれらに対応する練習用の教材が付属のWORKBOOKしか用意されていなく、自身で演習のための教材を用意する必要があります。特殊な教材のため、学校で教える先生側にも専門的な指導が求められます。プログレスに精通した指導者の指示に従って、適切な順序での問題演習が奏功です。

入塾をご検討の方は個別の説明会にお申し込みの上、ぜひ一度ご面談にお越しください。どのような講座・カリキュラムが必要かどうかはプロの講師からアドバイスをさせていただきますので、まずはぜひ一度当塾までお越しください。